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2016.06.14

先行研究への敬意

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 先行研究に敬意を表し批判する。批判なければ発展はない。

 最もいけないのは無視すること。それは無礼である。

 それでも無視することはある。ほんとうに取るに足らないから。反発をくらってもその覚悟をもって無視している。

 知らなかったは、恥。リサーチ力の低劣さを自ら認めているに等しい。

 忘れがたい経験がある。

 拙著『御土居堀ものがたり』で角倉与一の管理についてふれた。

 まとめたあと、たまたま林屋辰三郎『角倉素庵』を見なおしたら結論が全く同じだった。

 パクったと問われても言い訳できないと思い、結論部分に同書を参考文献として記した。いまでも当然の処置だったと思っている。

 もひとつ。

 拙著『池田屋事件の研究』を刊行したあと、奈良勝司さんの論文のなかに池田屋事件における一橋慶喜の立場を述べた部分があることに気づいた。

 魅力的な論点だったのに触れられなかったことを悔しく思う以上に奈良さんに対して失礼だと感じた。

 ゆえに奈良さんに拙著をお送りして、深くわびた。

 まもなく奈良さんから返事をいただいた。もちろん不快感をしめされたものではなかった。ほっとするとともに、改めて奈良さんの成果を批判する論文を書くべきだと思った。

 2012年秋の明治維新史学会大会報告ではそれを行ったが、いまだ活字にできていない。なさけない。

 先行研究への敬意についてふれた。

 これを無視する者を研究者とは認めないし、もちろんマスメディアも歴史事実を扱うおりはこのマナーを守っていただきたい。

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