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2007.07.18

5年目の邂逅(かいこう)、感激

 最高の京都地図帳とおもっているものがある。

 ゼンリンの『京都市道路地図』だ。

 京都市中心部が縮尺5000分の1で掲載されている。
 
 が、これだけなら類似品はある。
 
 宅地一軒一軒、描かれている。
 とてもみやすい。
 道路幅のデフォルメもすくないようだ。

 大事にすぎた。
 毎日もちあるいた。
 市バスに忘れてしまった。
 みつからなかった。

 もう1冊買おうと思った。
 おそかった。
 もう生産中止になっていた。

 古書店でさがした。
 まったく見つからなかった。
 サイト「日本の古本屋」でもみつからなかった。

 友人にも古書店などでの捜索を頼んだ。
 みつけてくれたらいい値で買うといった。
 定価は1350円。
 いい値が1万円でも買うつもりだった。

 それでも手に入らなかった。
 
 本日、京都女子大学に行くために京都駅前からタクシーに乗った。
 座ったら、まん前、助手席の背後の網ふくろにみたことのある地図がさしてあった。
 
 あ、あの地図だ。
 びっくり。
 お客さんがみるためだろう、おいてあった。

 運転手さんの愛用のものだろう。
 いっぱいマーキングしてあった。
 綴じがはずれたページもあった。

 勢いで言った。
 
 「どうしても急に京都の地図がいるんだが、これ、定価で売ってくれませんか」

 断られるかと思った。

 が、

 「え、こんな古いものでいいのですか」
 「全然平気です。いいですか」
 「そら、いいですけど」
 「じゃあ、いまもう払いますね」
と、信号待ちのとき、1350円ちょうどを運転手さんに渡した。

 あっというまのことだった。

 降りるとき、運転手さん、また申し訳なさそうに「すいませんね、古い本なのに、定価で」といった。
 口数少なく、お礼を言っておりた。

 5年。
 5年かかった。
 ついに取り戻した。
 感慨無量。 

 さっそく京都女子大学の講義でこのはなしをした。
 バカ受けした。

 キャンパスプラザの「基礎からまなぶ日本歴史」でも話した。
 また受けた。

 幕末の志士、平野次郎(国臣)のはなし。
 その下宿を捕り手が襲った。

 たまたまそのとき、平野は遊郭にいっていて不在だった。
 だから逮捕されなかった。

 帰宅後、捕り手がきたことを聞かされた。
 偶然助かったことをしった。

 直後に知人に手紙を書いた。
 「いままで遊郭でどれだけ散財したか、なんと無駄なことをしているか、とおもっていた。が、今日のことで全部帳消しになった」。

 同じ思い。
 京都女子大学に行くのに毎度タクシーをつかっていた。
 遅刻はいやだから。
 なんて無駄なことをしているのだと腹立たしかった。

 が、そのおかげでついにあの地図帳が手に入った。
 全部帳消しだ。

 願いはかならずかなう。
 時間さえかければ。
 あせらず、その日をまちましょう。みなさん。

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