ある教室で叱ったわけ
ある大学の講義でふたりの学生さんを叱った。
当の学生さんのひとりは、「どうして私しかられてるの、なにしたっていうの」という顔をしつづけていました。
そのときの説明では不充分だったようですので、ここであらためて理由を申し上げておきます。
まずその学生さん、講義に遅刻してきました。
私のマナーでは、遅れてきたこと事態が「悪いこと」ですので、こっそり静かに入ってきてほしかった。
できればうしろにいてほしかった。
それが前までこられた。それ自体は「熱心」でかたづけられるかもしれない。
が、歩くと大きな音のするはきものをはいておられた。
だから「カンカンカン」という高い音が教室に、いやすくなくとも僕には不興音だった。
席につかれてすぐ学習姿勢をとられたらよかったのだけれど、通路をはさんだ友人に話しかけられた。
もちろん大きい声ではありませんでした。
何を話しておられるかは聞えなかったので。
が、遅れてきて、不興音をたてて前まできて、こちらには会釈があるわけもなく、さっそく友人とはなす。
これも同じ長机の隣人に声をかけるぐらいなら、あるいは目立たなかったかもしれない。
でも通路をはさんでいたので、よけいに「派手」にみえた。
以上の動きが講義をしている立場からはきわめて「態度の悪い生徒」にみえたので、マナーがわるいと注意したのです。
もうひとりの学生さんは、1番うしろの席で大きく伸びをしました。
だから「授業がつまらないかもしれないが、それを堂々と示すような態度はやめてください、いっぺんでやる気がなくなります」というようなことをいいました。
あなたがたは受講者と教員の関係を「30人対1人」だと思っているのではありませんか。
あとの29人が相手をしているから、自分がなにをしていようが教員は気にもとめまいと思っておられませんか。
もしそうなら、まちがいです。
僕は1対1を、30組しているのです。
だから1人のよい反応はうれしいし、1人の不快な態度には立腹します。
想像してください。
対面している相手が、こちらが一生懸命話しているのに、目の前で大あくびをしたらどんな気分になるか。
一生懸命はなしている最中に遅れてくる。
時間をかけて一つの論を説明している。
遅れてきてはそこまでの論の展開が理解できませんね。
それでも時間の遅れを取り戻そうと、そこからの話からでも全体を理解しようとしてくれればうれしいです。
それにもかかわらず着席するなりまずしたことは、隣人に声をかけることだった。
「あなた、なにしにきてるんですか。友人との交際の一環としてやってきたなら出て行ってください」と思ってしかるべきではありませんか。
個人攻撃をしているわけではありません。
今日はたまたまあなたがたを叱りましたが、ほかの学生さんにもおおむねいえることです。
どうかお互いにマナーをまもりあい、気持ちよく教室で会おうじゃありませんか。
失礼の段は謝罪します。
が、今後もこの姿勢は堅持します。
どうかよろしくお願いします。
| 固定リンク

