室町時代の名水を探す
ある研究会で、「室町時代の京都の井戸」の抽出が可能か検討しています。
江戸時代の地誌類などの「伝承」はだめです。
確実なものを取り上げたいのです。
ところが仮に中世の公家日記などに「○○水」と出てきたとしても、場所の特定がきわめて困難です。
地図に落とせないのです。
そんなとき、「八坂塔絵図(法観寺参詣曼荼羅)」という図のことを思い出しました。
東山に現存する八坂塔と、その周辺を描写した室町時代製作の図です。
これを見ますと、祇園社ちかくの双林寺の南門前に、「菊澗水」と張り紙があります。
井戸らしいものは描かれていませんが、いまも東山から鴨川に流れ込む菊谷川という川が描かれていて、その橋のひとつに貼られています。
これはすごい。
これが事実なら、確実な室町時代の「水」のひとつを特定したことになります。
これがいまも現存するものかは不明です。
附近には名水といわれるものがいくつかあります。
が、「菊澗水」と同一かどうか。
「菊澗水」は、この調査をする上でよいテストケースになるかも知れません。
なお「八坂塔絵図(法観寺参詣曼荼羅)」は、京都文化博物館図録『京都・激動の中世』(山田邦和氏編、1996年11月、53ページ)に掲載されています。
ご関心のある方はどうぞご覧ください(写真は雪の八坂塔附近。東山霊山から)。
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